創業は1904(明治37)年。日露戦争が勃発した年の事です。創業者の鈴木 幸四郎氏は地元の味噌を造る蔵で大番頭をしていましたが、小作人が作る米の良さに着目し、独立して酒蔵を興しました。その後、3代続き女系の酒蔵。5代目の現当主である鈴木 孝市氏が久々のご子息となります。その孝市氏、蔵に戻り4代目であり杜氏である母の酒造りを手伝いを続けます。
しかし、2011年に東日本大震災が襲います。母屋は全壊、蔵は全半壊。あちこちの壁が崩れ落ち、倉庫の酒は散乱。避難も視野に入れたが、この地で生まれた意味、酒を造る意義を自分自身に問い詰めます。そして、たどり着いたのが「ここで酒を造り続ける」。そして、その年の冬から杜氏となります。27歳という全国的にみてもとても若い杜氏の誕生となりました。しかし、震災後、そうは簡単にいきません。
同蔵の酒造りと想い。それは…『地元で造る米の旨味。稲の成長を見守りながら、その年の米の出来具合いを肌で感じ、米の特徴を活かして酒を醸す。米の力を信じてその声を聞きながら、酵母の生命力にすべてをゆだねる。こうして出来た酒は季節を重ねる度に成長します。それが自然です。1本1本に自然とにじみ出る個性がある酒という理想に基にしています。穏やかにゆっくりと酒を愛する。さらなる酒質の向上を目指しながらも、曙酒造らしさを忘れることなく、酒造りへ全身全霊をかけて向き合う。その先を目指す之を持ち続ける事。未感染を意識する事。酒造りがここでできる幸せ。そしてすべてに感謝を忘れない。曙酒造の酒を口にして下さる方々へ、支えてくださる方々へ、生まれ育んでくれた郷土と自然へ、感謝の大きなハートを携え、「造っていても呑んでも楽しさが無限に湧き出る酒」を造り続けたいと想います。』
とてもしっかりした信念のある酒造りですネ。
そして、銘柄『天明』についてこう語っています。
「旨味・甘み・酸味のバランス、丁寧で清潔な造り、徹底した低温管理より生まれる、清く溢れる透明感。そして、日本酒に流れる季節感。それらを酒質設計・造り・管理・ブランドなどを通じ、ご提案させていただきたいと考えております。我々のお酒を愛してくださる全ての皆様の人生の、どの場面にもそっと華を添えることができ、朝日(あけぼの)のように、温かく明るい楽しいお酒で皆様を最高の笑顔にできればと考えております。」
鈴木孝市氏のまじめで実直な性格がそのまま反映されたかのような味わいです。その味わいはもちろん、蔵元の人柄もKOBAのお墨付き!ぜひご賞味くださいませ(*^^*)