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【酔鯨】高知県・酔鯨酒造 | 旨喜酒専門店KOBA (有)小林商店

【酔鯨】高知県・酔鯨酒造

南国・土佐を呑む・・・【酔鯨】
高知県高知市長浜566
蔵元HP

 南国土佐。幕末から明治にかけて自由を求め、多くの偉業を成し遂げた坂本龍馬を筆頭に、歴史に残る多くの志士を輩出した土地でもあります。森林面積日本一の土佐は、北に雄大な四国山脈、その山々からの豊かな水は清らかな河川となって土佐湾にたどり着きます。たっぷりと自然の恩恵を受けたこの土佐の地は、山の幸、海の幸がとても豊富。特に黒潮に揉まれて育った魚貝類は絶品です。
 また、土佐は日本酒大国としても有名で、平安初期に国司として土佐に来た紀貴之が千鳥足で大騒ぎする人々の様子を「土佐日記」に記したように、古くから酒好きが多いことで知られています。歴代の土佐藩主や維新の志士達も、こよなく酒を愛したと伝わっています。酒豪や気骨がある男性を意味し、土佐人を表現する「いごっそう」。女性の場合は「はちきん」と言うそうです。そんな「いごっそう」「はちきん」に代表される土佐人は古より独特の食文化、酒文化、宴会文化を育んできました。
 土佐の酒席に欠かせない料理に皿鉢(さわち)料理というものがあります。これは、お刺身から天ぷらまで、海、山の素材で作った様々な料理をひとつの大きな皿に盛り付ける宴会料理です。この料理で酒と会話を楽しむというのが土佐流宴会。このような食文化を持つ土佐では当然、「料理に合わせた酒」、「料理を引き立てる酒」が求められます。
 また、皿鉢料理を前に献杯、返杯を応酬し、興に乗れば箸拳や菊の花と呼ばれる伝承遊戯で負けては飲み、勝っても飲む。ある時は飲み干すまで杯を置くことが出来ない形状をした可杯(べくはい)というお座敷芸で盛り上がる。それが土佐流酒席。相当量の酒を飲むため、すっきり系の酒が求められ、今日、土佐酒は日本一淡麗辛口とも言われています。
 そんな酒の国・土佐の地でありながら、高知市内に現存する造り酒屋は「酔鯨酒造」の一軒のみ。意外だと思われる方も少なくないと思われます。江戸時代、「油屋長助」の屋号にて雑貨商を営み、1872(明治5)年から酒造りを開始。現在は約3,000石を出荷しています。月の名所として知られ、四国でも屈指の観光地・桂浜から車で10分もかからない所に蔵はあります。
 仕込み水には高知市の北部、人の生活空間から離れた山深い土佐山地区の湧水を使用(一部商品を除く)。降雨量が多く、水資源の豊かな高知県にあっても水量が豊富で、平成20年に環境省の「平成の名水百選」にも選ばれた鏡川の上流域です。自然の濾過を経て湧き出る新鮮なこの水は、酒造りに不適な鉄分やマンガンなどを含まない軟水。酒の仕込み期間中、「酔鯨酒造」は毎日トラックでこの水を採取しに行っています。
 原料米は酒によって色々な米を使い分けていますが、米本来の味を味わっていただきたいという理由より、ひとつの仕込みで使う米は1種。つまり麹米と掛け米は必ず同じものを使用するというこだわりを持ちます。精米歩合に関しても、通常は60%精米から吟醸酒となりますが、同蔵では50%精米でないと吟醸酒と名乗りません。大吟醸も通常50%精米のところを40%。それぞれ10%ずつ基準を厳しくしています。純米吟醸酒が出荷量全体の約半分を占め、純米酒を含めると純米酒規格が約80%にものぼります。
 そんな純米酒造りに重きを置いた本物志向の酒造りの総指揮を執るのは広島杜氏集団のひとり、土屋教治杜氏。1985年の杜氏就任以降、土屋杜氏の卓越した技とこだわりが『酔鯨』の名を更に高めていきました。
 『酔鯨』の酒の特徴は、やはり食中酒として楽しめるということ。料理と酒、双方が美味しく楽しめ、料理の味を生かす食中酒。そして淡麗辛口でありながら旨味を持つ酒。それこそが『酔鯨酒造』の目指す酒造りであり、土佐の風土に合った土佐の酒文化の継承でもあります。自ら「鯨海酔侯」と名乗った幕末の土佐藩主、山内豊信(容堂)公は、「昨は橋南に飲み、今日は橋北に酔う、酒あり飲むべし 吾、酔うべし」と謳いました。酒名の『酔鯨』は、この容堂公の雅号「鯨海酔侯」に因んで命名され、酒瓶のラベルには山内家の家紋「三葉柏」を用いています。かの坂本龍馬が残した「愛酒詩」は「酒者可呑酒者可飲」で始まります。「酒は呑むべし、酒は飲むべし」の意。また、板垣退助は「自由は土佐の山間より」と謳いました。
 自由を重んじ、大いに語り、美味佳肴を食し、食に合う淡麗辛口の旨酒をグイグイ飲み干す…。どうか土佐人の心意気を感じながら『酔鯨』を存分にお楽しみください。

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